ラズパイ・Arduinoなど人気のマイコンボード8種のUSBタイプ(種類・形状)を調べてみた!

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先日、個人的に所有しているラズパイ、obniz、micro:bitなどの電源供給用USBがまったく同じタイプ(microUSB type-B)であることに気づきました。

そこで思ったのですが、最近人気のマイコンボードってみんな同じタイプのUSBなのかな…とちょっと調べてみたら、実際にはさまざまなUSBが採用されていることが分かったのでまとめておきます。

今回、調べたマイコンボードは以下の通り!

  1. Arduino Uno R3
  2. IchigoJam
  3. LattePanda Alpha
  4. mbed
  5. micro:bit
  6. M5Stack
  7. obniz
  8. Raspberry Pi 3 Model B+

それぞれのボードについて詳しく見ていきながら、記事後半ではすべてをまとめた比較表も掲載しているので参考にしてみてください。


①Arduino Uno R3のUSBタイプ

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Arduino Uno R3は【 USB Type-B 】です!

Arduinoは用途に応じてDuo, Leonardo, Micro, Mini, Nano…など、さまざまな種類のボードが発売されているのですが、おそらく最もポピュラーというか定番なのがこのUnoだと思います。

ちなみに、Arduinoの種類が変わるとUSBタイプも変化するようで、例えばNanoの場合は「Mini USB Type-B」だったりします。

最近のArduinoは「Arduino Create」と呼ばれるクラウドサービスを提供しており、学習リソースやプログラムの作成からボードへの書き込みまですべてブラウザ上で行えるようになっています。


(参考リンク)
「Arduino」公式サイト

②IchigoJamのUSBタイプ

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IchigoJamは【 Micro USB Type-B 】です!

IchigoJamは、別途パソコンを用意しなくても電源を入れるだけですぐにBASIC言語の開発環境が整えられるのが特徴で、主に子供向けのプログラミング教育などで活発に利用されています。

また、JavaScriptでプログラミング可能な「IchigoLatte」や、グラフィック・音楽を強化した「PanCake」、WiFiによるネットワーク接続を実現する「MixJuice」などの拡張ボードがリリースされているのも魅力の1つです。

ちなみに、2015年から電子工作マガジンの中でさまざまなBASICプログラム作品を紹介するコーナーが始まり、IchigoJamを使って楽しめるようになっています。


(参考リンク)
「IchigoJam」公式サイト

③LattePanda AlphaのUSBタイプ

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LattePanda Alphaは【 USB Type-C 】です!

LattePanda Alphaは類似のマイコンボードと比較にならないほど超高性能なスペックが特徴で、CPUは第7世代のCore m3-7Y30が搭載されておりOSとしてWindows 10 ProとLinuxをデュアルブートできるように設計されています。

また、64GBのSSDや8GBのRAMも搭載されており、GPUも高性能なため普通のPCゲームも軽快に動作します。このようなパワフルで多用途に使えるボードを活用して、GPIOから電子工作できるのが大きな魅力でしょう。


(参考リンク)
「LattePanda Alpha」サイト

④mbedのUSBタイプ

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mbedは【 Mini USB Type-B 】です!

mbedは2005年頃から開発がスタートしていることから、類似のマイコンボードの中ではかなり古くから存在しているものの、当初からクラウドサービスを提供していてWebエディタを使ってプログラミングやファイルの書き込みを実現しているのが特徴です。

一般的には上記画像のモデル「LPC1768」が広く普及していますが、より低消費電力版である「LPC11U24」も人気があります。


(参考リンク)
「mbed」公式サイト

⑤micro:bitのUSBタイプ

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micro:bitは【 Micro USB Type-B 】です!

micro:bitはPCと接続するだけでUSBメモリのように認識され、クラウドサービスのWebエディタを利用してビジュアルプログラミングやJavaScriptで制御できるようになっています。(Pythonでも可)

ボード上に、LED・ボタン・BLE・加速度センサー・照度センサー・磁力センサーなどが搭載されているので、micro:bitさえあればある程度のプロトタイプを作れる利便性の高さが特徴的です。

また、簡単に多彩なセンサーを組み合わせられるGrove用の拡張モジュールも発売されていたり、スターターキットやロボット用モジュールなど学習目的でもすぐに使える環境が整っているのも魅力でしょう。


(参考リンク)
「micro:bit」公式サイト

⑥M5StackのUSBタイプ

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M5Stackは【 USB Type-C 】です!

最近は国内でも少しずつ人気が高まっているM5Stackは、シンプルな正方形のケースにESP32のマイコンを搭載しておりTFT-LCDやSDカード、Grove / I2C、WiFi / BLE、スピーカー、GPIO、バッテリーなどをコンパクトにまとめているのが特徴です。

また、追加用のバッテリー、GPS、自作用のモジュールなどの拡張機能も用意されており、Arduino IDEなどを使った開発環境も利用できるので汎用性が高いのも魅力です。

ちなみに、最近では「M5FLow」というクラウドサービスもリリースされており、ブラウザ上からプログラミングや開発ができるようになっています。


(参考リンク)
「M5Stack」公式サイト

⑦obnizのUSBタイプ

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obnizは【 Micro USB Type-B 】です!

obnizは1台購入すると無料で利用できるクラウドサービスが提供されており、HTML / CSS / JavaScriptによるプログラミングが可能で、サーバー側を制御して定期的にプログラムを実行することも簡単に実現できます。

ビジュアルプログラミング環境も用意されており、スマホからでも容易にプログラミングすることができます。また、HTMLをコーディングしてブラウザのUIからI/Oを制御することも簡単です。

ちなみに、12個あるI/OはI2C / SPI / UART / PWMに加えて3V / 5Vなどをプログラムから自由に制御できるため、どのI/Oに部品を挿しても利用できるのは魅力的でしょう。


(参考リンク)
「obniz」公式サイト

⑧Raspberry Pi 3 Model B+のUSBタイプ

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Raspberry Pi 3 Model B+は【 Micro USB Type-B 】です!

おそらくマイコンボードの中でもっとも有名で利用者が多いのがRaspberry Piで、いくつかの種類がリリースされていますが累計で1000万台以上を販売していることに驚きます。

OSにはLinuxベースの「Raspbian」などが提供されているので、普通のパソコンみたいに利用できるのも特徴的です。
カメラや通信モジュールなども豊富に用意されており、ほとんどのプログラミング言語が利用できるためプロトタイプも作りやすいのは魅力です。

子供の学習目的から個人や企業が開発するプロジェクト用途まで、非常に幅広く扱えるのが強みでしょう。


(参考リンク)
「Raspberry Pi」公式サイト

USB形状の比較表

ここで、それぞれのマイコンボードのUSB形状を「比較表」としてまとめておきます!

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各マイコンボードのUSB形状の確認やケーブルを買い換える時などの目安にして頂ければ幸いです。

また、USB関連の電子部品を購入する場合はオンラインストアが大変便利です!

USBの種類と形状について

ここからはちょっとマニアックな話になるのですが、USBがなんでこんなに種類や形状が多いのか?…について少しだけ補足しておきます。

そもそも、USBの種類は以下の3種類しかありません。

ざっくり言うと「USB」は主にPC関連で「Mini USB」はデジカメ関連で「Micro USB」はスマホ関連でよく使われているのを見かけます。

これだけならシンプルで良いのですが、ややこしいことにUSBは「Type A」「Type B」というペアになっています。

これもざっくり言うと「Type A」が電源側で「Type B」が周辺機器側というペア構成になっており、例えばPCとプリンタの例だと以下のようになります。

USBにはこのような特徴があり、先ほどの比較表を見て分かるようにマイコンボードは周辺機器扱いになるため「Type B」ばかりになるわけです。

しかし、最近になって登場した「Type C」のUSBがこのややこしい状況を解消してくれました。
ペア構成の概念が無くなり、どちら側に接続しても良いことになったので「Type A / Type B」を考える必要が無くなったわけです。

そのため、最近になって新しく登場したマイコンボードの「M5Stack」「LattePanda Alpha」などはUSB Type Cを採用しているわけですね。
(もちろん転送速度が速いとかいろいろ他にも理由はありますが…)


まとめ

今回は、人気のマイコンボードのUSBタイプ(種類・形状)についていろいろ調べてみました。

USBってこんなに種類があるというイメージが無かった自分としては、いろいろ調べていくうちに勉強になる部分が多くて意外と楽しかったです。

ちなみに、最近ではUSB3.0 / 3.1という新規格が主流になりつつあり、恐ろしいことにUSBの形状が大きく変更されているのでさらに種類が増えている状況です。
このあたりは余計な混乱を招きかねないので、今回は割愛しつつまた別の記事で紹介できればと思っています。



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